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木の花ファミリー訪問調査報告書
      (学生視点で見たエコビレッジの調査報告)

木の花ファミリーを訪ねて                    
島根大学法文学部法経学科3年生 岡本 侑子
2010.7.15
 「エコヴィレッジ」というものがある。木の花ファミリーはそのようにも言い換えられるらしい。
 だが、私はそうは思わない。確かに、木の花ファミリーの暮らし方はエコヴィレッジに通じるものがあると思う。しかし、たとえ木の花ファミリーと同じような町を行政などが故意的に作ったとしても、心のケアやつながりを意識した生活でなければ、単なる偽物にすぎないであろう。
 なぜなら、木の花ファミリーはまず、心の成長を求め、それを基盤としたうえでの延長として、生活を営んでいるからである。その生活がたまたま「エコヴィレッジ」であったのであり、エコヴィレッジを念頭に置いて町を作るのであれば、体裁が良い団体の集まりになりかねない。

 人々の笑顔  温かさ  生きるものすべてに対する感謝と思いやり
 ある種の桃源郷ではないか   アットホームな空間
 誰もが生まれてきたままで愛される   うつ病がなくなり自殺の割合も減るのではないか

 今回の研修の中で、さまざまなものが印象に残ったのだが、その中で、ある新婚のカップルが言ったことが心に留まった。それは、「この人との子どもがほしい。その制度として結婚をした。」というものである。
 では、制度として、フランスのように結婚をしていないカップルの間に生まれた子供にも嫡出子と同じ保障がなされるのであれば、結婚をせずに自然のままに子供を生み、みんなの子供として育てることも可能なのではないか。そうすることにより出生率も上がる。みんなの子供として育てることで、お互いに助け合うことになり、母親のみに負担がかかることなく、育児の負担から自分の子供を殺害することもなくなるのではないか。
 また、子どもの成長の面から考えると、血のつながりこそないものの、多くの兄弟姉妹に囲まれるなかで、少子化とともになくなりつつあった子供社会で学ぶべき規律や上下関係を学ぶことができるし、多くの家族からの愛を受けることができるため、自分は必要な存在なのだと気づき、相手に対してもそのように思い、また接することができる。
 その半面、プライバシーといったものは無いに等しいが、はたして今日のように自分の部屋が各自にきちんとあり、自分のパソコンがあり、食べ物も余るほどある中で、相手とのかかわりを通した思いやりを持つ子供が育つのであろうか。
 プライバシーがないに等しいということは、言い換えると、相手との壁がないということである。なぜ生まれながらにして生まれたままの自分を愛してくれる人々、家族に壁を持つ必要があるのだろうか。
 ここでは、相手が自分であり、自分が相手なのである。そういった環境の中で学びとれることは計り知れない。言い換えると、ある一定のプライバシーを越えなければ人と人との交わりはできないのではないか。
 大自然の中、たくさんの愛を受けて育つことにより、自由な発想を持った愛あふれる地球の子供が育つのではないだろうか。彼らは国際的な視野を持つなどという狭い範囲ではなく、地球の一員としての自覚をもった子供として成長する気がする。

今回の研修の中で、多くの人に出会い、多くの温かさに触れ、豊かな心に出会った。心の成長をしていきたい。
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